三重県水産研究に100年(創立百周年記念誌)
目で見る100年
魚類の種苗生産専用施設をつくる
養殖漁業、栽培漁業の活発化にともない、魚類の種苗生産の必要性が高まったため、尾鷲水産試験場では昭和45年から車庫の一角で研究をはじめたが、専用の施設が必要だったので、昭和48年3月、尾鷲市元須賀利にやっと魚類種苗生産施設を完成させた。規模は150 m2の飼育棟、50 m2の餌料棟と事務室、発電機棟であった。初期には電気がひかれていなかったほど。また、この地は陸の孤島で尾鷲から船で40分もかかり、海の荒れた日は行き来ができなかった。
それでもこの施設で後に完成するタイ、ヒラメ、カサゴ、イシダイなどの種苗生産の研究が行われた。
施設は昭和58年に閉鎖、62年に解体された。
職員が手作りした桟橋、泊っているのは尾鷲水試の鷲水 |
施設の全景。背後の山に水があった。 |
餌にするワムシを培養する餌料棟 |
6畳ほどの研究室があった |
三重県での魚類種苗生産の初期を荷担った元須賀利施設の飼育水槽室