三重県水産研究に100年(創立百周年記念誌)
目で見る100年
アコヤガイの採苗予報開始
大戦後の水産試験場の真珠養殖研究はアコヤガイ(稚貝、母貝)の確保からはじまった。終戦後の日本における最重要な輸出品と位置付けられた真珠の生産にはアコヤガイ母貝が欠かせないが、天然貝の採捕だけではすぐ枯渇した。生産量(養殖量)の急増する昭和23、24年になると深刻な問題になってきた。
この時期、試験場は2つの事業を行って対応している。1つは「県営真珠採苗事業」、養殖業者と協力して5千貫の稚貝を確保しようというもの。もう1つは「英虞湾真珠仔虫出現時期予報」である。アコヤガイ幼生の発生時期を丹念な水温観察により業者に予報するものであった。
杉葉に付着したアコヤガイ椎貝 |
椎貝を付着させるため 杉葉をイカダに吊す |
アコヤガイ椎貝を付着させる貝殻採苗器の図