三重県水産研究に100年(創立百周年記念誌)
目で見る100年
サメ漁法とサメの利用法
昭和13年11月の時報103号に、サメに関する2つの記事がある。『毎年、秋口になるとイワシの群れを追って「平頭鮫」が集団できて、漁業に被害を与え漁獲は皆無となり、恐怖のため操業もできない。通報により本年も9月にはいり9日間、白塚および香良洲沖へ、試験場の船が出動した。そして試験場船は「鮫延縄」を操業した。「操業すれば必ず漁獲あり。又一時操業すれば直ぐ他の鮫は退散するようである。」しかも、大は70貫以上、平均40貫もあり、1尾平均20円くらいに売れるので、「ぜひお勧めしたい」』と漁具の図をも書いている。 次に「鮫生皮処理法及貯蔵について」の記事があり、すでに戦時下にあるから、代用品として「代用品というに余りにも立派な皮革に出世した」サメの皮を製造することを薦め、皮を剥ぐ方法から荷造りの方法まで、図を添えて懇切に解説している。 |
左はサメの肉を削る道具の図。 右は製品になったサメの皮をきれいにたたむ方法を示す。 |