三重県水産研究に100年(創立百周年記念誌)
目で見る100年
稚魚愛護デー
昭和13(1938)年5月の「時報」97号に、興味深い記事がある。布施田村(現・志摩町)で、同年4月14日を稚魚愛護デーと決めて、小学校生徒・職員、漁業組合幹部らが、「稚魚稚貝愛護デーの歌」を歌いながら旗行列をしたと伝える。
夜には、愛護の映画上映、講演会を開いて村人に呼びかけたと言う。映画は「磯の子守歌」と題し、海の博物館に保存されている。
「稚魚稚貝愛護デーの歌」
一、 二、 三、 四、 五、 |
我が日の本は海の国 魚貝はあまた群がれり 海は我らの生命線 漁場を荒らすな仔をとるな 愛魚の村に貧乏なし 磯の鮑も3年たてば むごいことすな皆人よ なさけをかけて育つれば 無茶にとっては村ほろぶ 規則を守らぬ人たちは |
神の授けし大漁場 磯をきづけばなおふえる 愛し育てよ稚魚稚貝 とらずにおけば大漁あり 浜に黄金の波よせる 可愛い娘の嫁支度 稚魚の赤手に網うつな 余徳はわれにかえるなり とるなとらすな稚魚稚貝 わが身とともにほろぶなり |