三重県水産研究に100年(創立百周年記念誌)
目で見る100年
帆船・朝熊丸の新造と漁労試験
三重県が初めて建造した西洋型帆船・朝熊丸が大湊造船所で明治39年12月15日進水した。「遠洋漁業ノ発展ヲ促進」する目的で、日本型漁船に比べ船体の堅牢な西洋型船を造って実証し、漁業者に普及させようという狙いであった。朝熊丸は操業試験を繰り返し、時には朝鮮海へも漁場調査目的で航海にでている。
朝熊丸は全長74呎(フィート)・22.5メートル、最大幅16呎(4.9メートル)。35.19トン。船長、漁労主任ほか水夫5人、漁夫10人乗り。造船費用は艤装費や付属艇を含めて6千8百余円だった。