三重県水産研究に100年(創立百周年記念誌)
目で見る100年
三重県水産試験場事業成蹟の第一巻
明治38年4月、試験場は初めての事業成績(蹟としている)を発行した。前文で「(明治)三十三年以降専ラしんじゅかひノ生理習性及養育方法ニ就キ試験研究」してきたが、第一期事業が終結したので、まとめとして第一報を刊行する、と書いている。目次は「真珠介養殖試験及調査 第一報」「附 三重県下真珠介繁殖状況」それに「赤潮調査 第一報」となっている。 真珠養殖の研究が早くから、水産試験場の中心的事業であったことが判る。さらに、赤潮の調査も魚介類への被害はもちろんだが、真珠養殖業での被害の予防にあったことが、「しんじゅかひ養殖ヲ業トセルモノ・赤潮ノ出現セルコトヲキキテ・・養殖物殲滅セラレシゴトク恐怖スル」という報告文から知られる。すでに英虞湾に赤潮発生が見られ、研究が始まっている。 |
三重県水産試験場事業成蹟第一巻の表紙 |
明治38年発行「事業成蹟」第一巻の図版にある「しんじゅ」の図の第一版 | 「しんじゅ」研究にともなってはじまった赤潮調査。その赤潮プランクトンの図 |