三重県水産研究に100年(創立百周年記念誌)
目で見る100年
カツオ釣り漁業
明治35年の水産試験場事業報告は、カツオ一色といって過言でない。その冒頭に次のようなこの頃の三重県のカツオ漁業の概要が記されている。
「鰹節は県下の重要物産にしてその産地は、志摩郡坂手村(現・鳥羽市坂手町)以南、牟婁郡木本町(現・熊野市木本町)にいたる沿海、約五十里一帯の四郡三十四ケ町村四十七浦におよび、この漁業に従事する漁船は六百余艘(盛漁期間だけ出漁する船を足せば八百艘)。漁師数は六千人。漁獲高は六十七万貫(約2512トン)、価格は33万6干円。鰹節製造戸数は五百戸。生産高は十万貫(375トン)。価格は36万5干円以上に達する。鰹節は生カツオの六割五分以上であり、したがってこのカツオ漁業の消長は三重県の経済に多大の影響を及ぼすことを知るべし。」
カツオ釣り具の図
カツオの餌針各種の図
カツオ釣り擬似針(ギジハリ)各種の図