林業研究所においてオオイチョウタケの屋内人工栽培に成功しました
(平成25年8月)
林業研究所において、屋内の空調施設を利用したオオイチョウタケの人工栽培技術の開発に取り組んで
きたところ、きのこの発生に成功しました。
1.経 緯
(1)オオイチョウタケは山間部の主にスギ林に発生する風味の良い大型のきのこで、発生時期が9月下旬
から10月上旬の1~2週間と短く、また県内での発生場所も限られているので貴重なきのことして珍重
されています。(津市美杉町周辺では、スギタケと呼ばれています。)
(2)林業研究所では平成7年よりオオイチョウタケの人工栽培に取り組み、平成12年秋にスギ林を利用し
た人工栽培、平成15年秋には全国で初めて簡易な屋外施設を利用した人工栽培に成功しています。
(3)これらの栽培方法は気象条件に左右され、発生時期が限られていたため、林業研究所では空調施設
で屋内環境をコントロールする通年栽培技術の開発に向けて研究を行ってきました。
2.要 旨
この度、自然条件下での発生を参考に屋内のきのこ栽培施設を利用して、菌糸の培養方法、培養温度、
培養期間等の諸条件について試験を行ってきたところ、全国で初めてオオイチョウタケの屋内発生に成功
しました。(オオイチョウタケの屋内人工栽培技術については、学会等で報告された事例はありません。)
3.今後の取り組み
今回明らかになった栽培条件を分析し、栽培期間の短縮、発生量の向上等安定した通年栽培技術の確
立を行い、きのこ生産現場への技術移転を図ります。
林業研究所屋内施設で発生したオオイチョウタケ(H25/8/28現在)
自然条件下で栽培したオオイチョウタケ