中晩生かんきつの新品種「みえ紀南4号」を登録申請しました
1.現状・背景
三重県東紀州地域は温暖な気候を活かしたかんきつ栽培が盛んで、一次産業の中で重要な位置を占めています。しかし、近年のかんきつ類の消費量の減少等により厳しい経営状態が続いています。特に、中晩生かんきつ類の主体となっている「甘夏」に替わる新たな高品質・高単価商材の開発による、農家経営の安定化、産地の維持発展が強く求められています。
2.新品種の特徴
平成5年に中晩生かんきつである「清見」に「春光柑」の花粉を交配する事によって得られた種子を用いて育成しました。果皮は硬くて手で剥けませんが、包丁でカットすると種子がほとんど無く、さわやかで独特の風味があるかんきつです。
表1 「みえ紀南4号」の果実特性
調査時期 |
全重 (g) |
横径 (㎜) |
果形 指数 |
果肉 割合 (%) |
着色 歩合 (分) |
浮皮 程度 |
糖度 (%) |
クエン酸 (%) |
含核数 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
完全 |
不完全 (個) |
|||||||||
12月下旬 | 253 | 84.7 | 129 | 67.4 | 8.9 | 0.0 | 11.0 | 0.69 | 0.5 | 0.5 |
1月下旬 | 212 | 79.8 | 129 | 69.0 | 9.5 | 0.0 | 11.7 | 0.64 | 0.1 | 0.0 |
2月下旬 | 198 | 77.3 | 127 | 67.6 | 10.0 | 0.0 | 12.4 | 0.68 | 0.3 | 0.0 |
特徴
熟期 | 2月下旬~3月下旬 |
果皮色 | 黄橙色 |
平均果重 | 200~150g |
糖度 | 12~13% |
酸度 | 0.6~0.7% |
果汁 | 多汁 |
種子 | 極少 |
3.写真
写真1 みえ紀南4号の成熟果実 |
4.今後の方向
地域の皆さんと協力しながら、新たなブランドとして位置づけられるように生産振興を推進します。
平成22年6月14日に品種登録出願をしました。
三重県農業研究所
紀南果樹研究室
市ノ木山浩道
連絡先
電話:05979-2-0008
FAX:05979-2-2679
電子メール:nougi@pref.mie.jp