極早生温州の新品種「みえ紀南3号」を登録申請しました
1.現状・背景
三重県東紀州地域は温暖な気候を活かした柑橘生産が盛んである。特に、極早生温州(「崎久保早生」)の生産割合が高く全国に先駆けて市場に出荷されている。紀南果樹研究室で「崎久保早生」から育成した高品質な極早生温州「みえ紀南1号」は収穫時期が早いため、極早生温州に引き続いて出荷される早生温州(「宮川早生」「興津早生」)との間に出荷のブランクができてしまう。そこで、「みえ紀南1号」に引き続いて出荷される高品質な完熟タイプの極早生温州新品種「みえ紀南3号」を「上野早生」の珠心胚実生から育成した。
2.新品種の特徴
平成10年に極早生温州みかんである「上野早生」に「新甘夏」の花粉を交配することによって得られた種子を用いて育成された珠心胚実生系統です。平成15年から本格的に果実品質調査を開始した結果、糖度が「上野早生」より1度程度高く、クエン酸の減少も早い系統であることがわかりました。「みえ紀南1号」に続いて9月下旬から出荷可能で、浮き皮果の発生も少ない完熟タイプの極早生温州みかんであると考えられます。
図1 「みえ紀南3号」の果実特性
特徴
熟期 | 9月下旬~10月中旬 |
3.写真
写真1 みえ紀南3号の果実 (平成10年10月14日) |
4.今後の方向
地域の皆さんと協力しながら、新たなブランドとして位置づけられるように生産振興を推進します。
平成22年1月12日に品種登録の出願をしました。
三重県農業研究所
紀南果樹研究室
市ノ木山浩道
連絡先
電話:05979-2-0008
FAX:05979-2-2679
電子メール:nougi@pref.mie.jp