試験研究内容
<2024年度研究概要>
- 果樹の温暖化による気象被害予測システムの開発(国委託・2022~2024年)
温暖化の進行により、夏季の高温によるカンキツの日焼け果の発生が増加している。
気候変動に対応するため、日焼け果の発生要因の解明から発生予測技術を確立するとともに、対策技術の開発についても取り組む。
連携先:農研機構、福島県等
2.かいよう病抵抗性の系統開発及び黒点病抵抗性の育種素材の開発(国補・2023~2025年)
カンキツの農薬散布の労力、コスト低減を可能とする品種開発の中で、かいよう病に抵抗性を持つと考えられる選抜品種について現地での抵抗性評価を行うとともに、各品種における黒点病の抵抗性を評価する基準を検討し、育種素材開発を進める。
参画:農研機構、鹿児島県
3.輸出カンキツの腐敗果低減技術の確立(県重点事業・2024~2026年)
紀南地域で取り組んでいるカンキツの輸出は、その品質が評価され、輸出先からのニーズは高いが、輸送や流通時に生じた腐敗等によるロス果が問題となっている。発生要因は栽培管理、輸送時の温度・湿度条件、収穫以降の取扱いで発生する傷など、多岐にわたることから、生産、収穫、選果、流通の各段階で原因を調査するとともに、効果的な軽減策を検証する。
連携先:JA伊勢、紀州普及センター、(株)オレンジアグリ
4.ICT技術を利用した樹体水分ストレス推定法の開発(共同研究(鳥羽商船)・2024年)
カンキツのマルチ栽培における高品質果実生産に向け、水分管理に必要な樹体水分ストレスを「見える化」し、画像解析とAI学習に基づくAI自動かん水システムを実証する。
連携先:鳥羽商船高等専門学校
5.みえブランドカンキツ品種等の産地強化支援技術の開発(室長認定・2024年)
土壌伝染病害に対抗できるブランドカンキツ品種の選抜、次世代につなぐ省力的な栽培体系の開発、現場で問題となっている各種病害虫対策技術の開発、産地戦略品種の改良と開発、害虫モニタリングシステムの実証等に取り組む。
6.東紀州地域の高品質カンキツ生産を支える新しい品種の適応試験(委託研究・2024年)
農研機構で育成されたカンキツの東紀州地域での適応性を検討する。 連携先:農研機構の県内栽培の可能性を調査し、栽培が可能か明らかにする。