2.水稲新品種「みえのゆめ」の育成
山川智大・村上高敏・宮本啓一・橘尚明・橋爪不二夫・立松伸夫・服部英樹
三重県の水稲中生品種として、多収で品質も良く、かつ良食味の「みえのゆめ」を育成した。本品種は、良品質・良食味の「祭り晴」を母とし、多収性の「越南148号」を父として人工交配を行い、その雑種第1世代を葯培養して得られた系統の後代から育成したものである。「みえのゆめ」の成熟期は「ヤマヒカリ」と同じ「穂重型」に属する。耐倒伏性は「強」で、穂発芽性は「やや難」である。いもち病に関しては抵抗性遺伝子Pita2をもつと推定されるが、葉いもち病および穂いもち病に対する圃場抵抗性は「不明」である。外観品質は光沢があり良好で、食味は「ヤマヒカリ」並みの「良」である。
本品種は本県における中生の有望品種として2001年度から奨励品種に採用される予定である。