試験研究内容(水稲・麦・大豆部門)
1.水稲の新品種開発
伊賀地域を代表とする中山間地の気候・風土に適した水稲新品種の開発や耐病性品種を開発するため穂いもち、ごま葉枯病抵抗性検定を行っています。
イネごま葉枯病の抵抗性品種開発では遺伝子解析にも取り組み、イネごま葉枯病に強い中生で多収品種「みえのゆめBSL」を育成しました。令和4年には「みえのゆめ」に代わり、県内で生産される予定です。
また、いもち病に抵抗性で夏季の高温でも玄米品質が良く、「コシヒカリ」と同程度においしい新品種「なついろ」を育成しました。
伊賀地域は酒づくりの産地でもあります。地元で生産された酒米でお酒を仕込みたいという県内酒造メーカーのご要望を受けて、酒造好適米品種「神の穂(かみのほ)」を開発しました。うま味のあるやさしい味わいのあるお酒ができるのが特徴です。
水稲の有望系統選抜 ごま葉枯病 いもち病抵抗性品種「なついろ」
2.水稲・麦・大豆の新品種選定
国・他県で育成された有望品種系統や本県で育成した有望系統の品質、収量、耐病性等を調査し、伊賀地域を含む中山間地域に適した品種の選定を行っています。
小麦については、国が開発を主導した、コムギ縞葉枯病に強く、パン、中華麺に向く硬質小麦品種「タマイズミR」の育成プロジェクトに参画しました。「タマイズミR」は、令和2年産から伊賀地域で栽培が行われています。
左:コムギ縞委縮病に強い「タマイズミR」 大豆品種選定
右:「タマイズミ」
3.伊賀米の高品質・安定栽培技術の開発
伊賀米コシヒカリの食味・外観品質の向上のため、ICTを活用した生育診断などの栽培支援技術の確立に取り組んでいます。
4.高品質水稲種子生産技術の開発
一般の農家が水稲生産を行うために使用するもみ(一般種子)の約8割が伊賀地域で生産されています。高品質な種子を生産するためには、一般の栽培とは異なり精密な管理が必要で、現在でも手作業の工程が多く残っています。このためICTを活用した種子生産の省力化・効率化技術の開発を検討しています。
また、採種ほにおける漏生イネ対策として、収穫後の管理技術の開発についても取り組んでいます。
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5.水稲原種採種事業
一般種子を生産するための種子を原種と呼び、原原種から原種を生産します。農業研究所では原種採種事業で本県奨励品種の原種を生産し、採種農家に種子を提供しています。
伊賀農業研究室では水稲の原種・原原種の生産・管理を行っています。
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