教科書に即した内容だけでなく、当センターの業務のこと、「埋蔵文化財」とはどういうものか、さらに、小学校近隣にある納所遺跡の紹介なども含めたスライドを作成して授業をすすめました。納所遺跡の紹介では、前回よりさらに踏み込んで、福岡県の四箇遺跡(しかいせき)で出土した木製品の図面と納所遺跡で出土した木製品の図面を見比べるスライドを提示しました。
子どもたちからはすぐに「似ている!」と声が上がり、「ということは?」とさらに問いかけると、「九州とこことで物や人のやりとりがあった?」と深く考えている姿がありました。
また、今回は納所遺跡出土の土器の実物に加え、貫頭衣のレプリカも用意しました。子どもたちは興味津々で、土器の観察はもちろん、農具のレプリカとともに貫頭衣もすぐに着用して、手持ちのタブレット機器で撮影をしていました。弥生時代の生活の様子をより実感することができたようでした。火起こし体験も、当日は湿度の高い難しいコンディションでしたが、着火に成功したグループもあり、その瞬間は歓声が上がっていました。
三重県埋蔵文化財センターでは、保管している県内出土の遺物や調査データを活用し、歴史の教科学習だけでなく、小中学校の「総合的な学習の時間」、高等学校の「総合的な探究の時間」等の探究活動を支援しています。学習内容は担当の先生方と相談しながら考えていきます。三重県の貴重な財産を、ぜひ授業でご活用ください。



