担任の先生からは事前に、将来、考古学者になりたいと考えている児童がいるので、埋蔵文化財センターの仕事や、考古学の魅力について触れつつ、学校周辺の遺跡を紹介してほしいという要望をいただいていました。
2限続きの授業の1時間目は、スライドと、手持ち資料を使用し、埋蔵文化財センターの仕事と考古学の手法等について説明した後、栗真という地名の由来や、この地域が街道沿いに発展した町であることを確認しました。その後、学校周辺の遺跡として栗真中山城跡の紹介、専修寺境内遺跡と一身田寺内町の環濠についての解説を行いました。
2時間目の前半は引き続き、スライドを使用しながら、六大A遺跡についての解説を行いました。発掘調査時の写真や実測図を交えながら最初に説明した埋蔵文化財センターの仕事が具体的に理解できるように心がけるとともに、六大A遺跡の遺物の特徴についての解説も行いました。
2時間目の後半では少人数で遺物を詳細に観察する時間をとりました。観察前には、後で気づいたことを出し合う時間をとることや、観察時に注目すべきポイントについて伝えました。全員が観察し終えたところで、各自が気づいたことを発表する時間を設けました。それぞれの発言の後、児童が着眼した点についてその都度解説を行い、その後、次の発表を募るという形で授業を進めていきました。全員が大変積極的に取り組み、活発に発言していたことが印象に残っています。
児童の発言が出終わったところで、児童の発言に出てこなかった遺物について補足の解説を行い、最後に考古学という学問の魅力と、学ぶ事の大切さを伝えて授業を終えました。
事後アンケートでは、ほとんどの児童が「とても楽しかった」「良くわかった」と回答してくれていました。また、身近な遺跡が団地、道路などに姿を変えていることが心に残り「いろいろな遺跡を調べようと思いました」との回答や、「報告書は図書館にあるとわかったので見に行こうと思います」との回答も寄せられていました。クラス担任の先生の日ごろのクラス作り、授業がしっかりとなされていたため、児童の授業に取り組む姿勢、学級の雰囲気が非常によく、こちらとしても大変楽しく授業を行うことができました。
三重県埋蔵文化財センターでは、今後とも学校の先生方と連携しながら、センターの保管する遺物や調査データ資料等を活用し、児童生徒の探究活動につながる授業づくりを支援していきます。


授業の様子 展示遺物の様子