1月12日(日)に、公開考古学講座「三重を掘る」第5回を開催しました。
今回の講座では文化財のみかた講座「フィールドワーク ー古墳の測量ー 」と題した体験講座を行い、16人の方が参加されました。
参加者は4つのグループに分かれ、当センター嬉野分室西側の西山1号墳を平板測量で測量する体験を行いました。「やり方を私から説明して取り組むのもよいのですが、まずは実際にやってみてやり方を覚えてみましょう」という講師の声とともに、参加者の皆さんはそれぞれ、測量に必要な道具を手に、役割分担をしながら一つ一つの作業に挑戦していきました。
初めて触れる道具に興味津々の中、時間が経つにつれ、要領をつかんだ皆さんの作業のスピードがどんどん上がっていきます。あちこちで平板測量で聞かれる「〇〇cmアップ(ダウン)!」「アリダードOKです!」「エスロン(巻き尺)をもう少し水平に!」といった掛け声が聞こえてきました。わずか1時間30分の時間でしたが、写真のように古墳のおおよその形をとらえた図面ができました。
最後に講師から、「図面を描くことにとらわれるのではなく、測量から対象となる古墳の形をとらえることが大切です。何がどのように見えるかを大事にしましょう」といった話があり、西山1号墳が前方後方墳であることや、古墳の裾の位置のみかたなどについて解説がありました。
参加者からは、「これまで近くの前方後円墳や円墳ばかり見てきたので、前方後方墳は見てみたいと思ってきたが、測量も初めて体験させてもらって、意外と楽しかった」「西山古墳(三重の前方後方墳)に実際登れることに興味があったし、測量のイロハも体験できて楽しかった」「古墳測量が初体験なのでとても楽しめました。大満足です」といった感想があり、楽しんでいただけたようです。