9月14日(土)に、公開考古学講座「三重を掘る」第3回を開催しました。
今回の講座では文化財のみかた講座と題し、「中世の土器のみかたー日常の土器を見るー」「磁器のみかた」の2講演を行い、34人の方が参加されました。
「中世の土器のみかた」の講座では、日本の中世の時代概説や絵図の紹介から始まり、続いて土師器や瓦器、山茶碗などの時徴を解説しました。また、三重県の中世の土器が「伊賀」と「伊勢・志摩・東紀州」で分けて考えられること、伊勢地域については雲出川を境に中北勢と南勢に分けて考えられることを説明しました。
「磁器のみかた」の講座では、土器や陶器と磁器の違いの説明から始まり、三重県で出土する磁器がほとんど中国からの輸入による高級品であったこと、青磁や白磁といった器がどのようにして色の違いが生まれるのかなどについても説明がありました。さらに、輸入磁器が瀬戸や美濃で生産される陶器にどのような影響を与えたのかについても話がありました。
また、会場内には、講座で登場した遺物が展示され、参加者は休憩時間などに手に取って観察したり、講師に質問したりしていました。
事後アンケートには、「中世土器、磁器のみかたの基本をわかりやすく説明してもらった」「『磁器を持つことはステータス!』のイメージ、よくわかりました。磁器が出土するということはすごいことなんですね」「中世の土器の変遷は、初めて聞き、とても参考になった」「磁器の話の深掘りをまた聞きたいです」などの記述があり、楽しんでいただけた方が多かったようです。
講座の様子
展示した遺物の様子