8月20日(火)、津高等学校の生徒を対象に「総合的な探究の時間」のテーマ設定に向けた取り組みとして、津城跡でのフィールドワークを実施しました。
最初に近鉄津新町駅近くの公園で絵図や地図などを確認し、国道23号方面に向かって、往時の外堀沿いに歩を進め、中島口門と呼ばれた門があった位置付近から現在の津城跡に向かいました。
津城跡では実際の石垣を観察しながら、石を割る技法や、石垣の積み方の変化について学んだあと、史跡内を歩きながら櫓(やぐら)など本来、石垣の上にあった建築物について解説し、城を築く技術についての学びを深めました。
その後、丸之内の百五銀行横に移設された内堀北東の石垣を見学し、絵図と比較しながら往時の津城の敷地範囲を確認した後、現存する内堀沿いに西ノ丸公園入り口付近に移動し、石垣の危険度等、津城跡保存に関わる課題を踏まえて文化財の保護について考えました。
今回、外堀の南西隅付近から内堀北東までを巡り、要所を解説したことで、参加した生徒は、往時の津城のスケール感や、石垣築造の技術とその変遷、史跡としての津城跡が抱える現在の課題を身近に感じることができたようです。近隣に住む参加生徒は「何度も訪れている場所だけれど、初めて知ることや、気づくことがあっておもしろかった」という趣旨の話を聴かせてくれました。今回の授業をきっかけに、歴史や文化財について探究を深めていただけることを期待しています。