7月8日(月)に、桃園小学校の6年生62名を対象に授業を行いました。
桃園小学校の周囲は中世の土器が出土した山室遺跡や県指定有形文化財の陶質土器が出土した木造赤坂遺跡など、多くの遺跡があります。これまでの社会科の学習を通し、「三重県の古墳や遺跡などからの出土品を見てみたい」「縄文土器と弥生土器の違いを見比べてみたい」という子どもたちからの思いをきっかけに、授業の依頼を頂きました。
最初に埋蔵文化財センターの仕事を紹介した後、今日の学習のめあてである「3つの時代の遺跡から出土した土器を古い順にならべてみよう」を示しました。子どもたちの机には、自由に触れることのできる縄文時代の土器と弥生時代の土器を置き、3つのテーブルに縄文時代の土器・石器、弥生時代の土器・石器、鎌倉時代の土器を展示し、グループごとに観察をしてもらいました。子どもたちは「あっ、石庖丁だ!これがあったのは確か…」「このグループは石器が多いから…」「さっき机で見た土器を比べると、縄文土器のほうが厚みもあったし、色も…」などと対話しあいながら自分なりに順番付けを考えていました。子どもたちが発する言葉からは、これまでの学習を生かしながら、結論を導き出す姿がみられました。
最後に各時代の特徴の解説と答え合わせを行い、全員が正解を出すことができて授業を終えました。実際の遺物に触れ、観察し、考えたことは一人ひとりの中に貴重な経験として蓄積されていくと思います。三重県埋蔵文化財センターではこれからも、このような地域や学校での体験活動を支援していきます。
授業の様子① 授業の様子②
展示した遺物(安濃津柳山遺跡・山室遺跡) 展示した遺物(野添大辻遺跡・鴻ノ木遺跡)