6月21日(金)に、「総合的な学習の時間」の一環として日進小学校の6年生19名を対象に授業を行いました。
日進小学校の近くには旧石器時代の遺跡として全国的にも有名な出張遺跡があります。出張遺跡出土の石器を観察した子どもたちから、「何に使っていたんだろう」「どうやって作っていたんだろう」という疑問が出されたことをきっかけに、授業で学んだ弥生時代までの土器や石器に触れさせたいとの依頼を頂きました。
最初に埋蔵文化財センターの仕事を紹介した後、考古学の方法論と遺物観察のポイントについて説明しました。その後、旧石器時代から弥生時代まで、時代別に分けた遺物のグループを順番に観察し、遺物の用途を考えたり、各グループを年代順に並べることに挑戦したりする時間をとりました。子どもたちは「このグループには土器がないよな」「お米があるから新しいはず」などと対話しあいながら熱心に取り組んでくれました。子どもたちが発する言葉からは、先生方の指導のもと、日ごろからしっかりと学習に取り組んでいることが伝わってきました。
最後に各時代の特徴の解説や、発展的な学習のポイントに触れて授業を終えました。6年生のみなさんは今後、近くの日進公民館に展示されている出張遺跡の遺物の観察にも行く予定だそうです。実際の遺物に触れ、観察し、考えたことは一人ひとりの中に貴重な経験として蓄積されていくと思います。三重県埋蔵文化財センターではこれからも、このような地域や学校での体験活動を支援していきます。