令和3年7月31日(土)、名張市薦生の薦生遺跡で発掘調査現地説明会を開催しました。当日は好天に恵まれ、220名の参加がありました。
今回の発掘調査では、古代(奈良時代)・ 中世(鎌倉時代)の掘立柱建物跡などがみつかり、参加者に間近で見学していただきました。このうちの古代の建物の一つは、「官衙」(かんが・古代の役所)に用いられる「長舎」(ちょうしゃ)という形式の建物とみられ、東西 10 間(約 30m)・南北2間以上(6m以上)の大きさが推定できます。遺物については奈良時代や鎌倉時代の土器・陶器などを見学していただきました。
今回の現地説明会は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、参加者の皆様には受付での検温、マスクの着用、連絡先の記入などにご協力いただきました。また、密集・密接を避けるため、一箇所に集まっての全体説明は行わず、自由に遺構・遺物を見学し、各所で職員が個別に解説を行いました。参加者からは、「ロマンがあり、子供にもとてもわかりやすく説明してくれました」「こんなところに奈良時代の建物があったことに驚いた」「柱穴が並んでいるところがよくわかった。実際のサイズ感を体感できた」など好評をいただきました。
今後も発掘現場での説明会等を通じて、可能な限り調査の成果を紹介いたします。