鵜殿西遺跡では、これまでの発掘調査において、鎌倉時代から室町時代の居館と考えられる建物や溝の跡を確認しました。中でも、東西12.8m、南北10.7mの大型の掘立柱建物や、東西50m以上、南北100m以上の大区画を構成していると思われる区画溝は、その規模の大きさや鵜殿城・烏止野神社の近くであることなどから、当時の有力者であった鵜殿氏の生活域である可能性が考えられます。
今回の現地説明会では、幅4m、深さ0.9mの中世の区画溝のほか、14世紀のものと思われる掘立柱建物を中心に見ていただき、調査を担当した職員が解説を行いました。
また、出土遺物についても、解説の後に実際に触れていただく場を設定しました。出土遺物は、縄文時代から江戸時代まで時代幅も広く、また、生産地も国内外の生産地から海上交通を介して鵜殿に運ばれたものが多く見つかっています。たくさんの方が多種多様な焼き物を手にしながら興味深くご覧になっていました。
参加者のみなさんからは、「説明した方の熱意を感じました。」「今回参加してすごく興味がふくらみました。」といった感想の声が寄せられました。
今後も発掘現場での説明会等を通じて調査の成果を紹介いたします。ご期待ください。
鵜殿城跡から見下ろした現地説明会会場 | 掲示ボードを使った全体説明の様子 |
遺構説明の様子 | 遺物説明の様子 |