まず、南伊勢町の遺跡や歴史について学習しました。初めに、遺跡地図を使い、南伊勢町にある遺跡を紹介しました。そして、実際の遺物や食事模型を紹介しながら、縄文時代から時代順に概要を説明しました。室町時代の遺物として南伊勢町の田曽城跡から出土した遺物も紹介し、地域の歴史の一端にも触れました。歴史の大好きな小学校高学年の子どもたちは、土器の時代による変化や当時のくらしのようすを大きくうなずきながら聞いていました。小学校低中学年の子どもたちにとっては歴史の話は少し難しいものですが、熱心に聞いている姿が印象的でした。
つぎに、メインとなる勾玉づくり体験に移りました。粗い紙やすりで石材を勾玉の形に整えてから、水の中できめの細かい紙やすりで磨いて作りました。紙やすりで石材をこする作業は腕が疲れるため大変なのですが、子どもたちは地域の人にも見守られながら集中力を切らすことなく取り組んでいました。形や光沢にこだわった自分だけの勾玉が仕上がると、子どもたちは誇らしげに首からかけていました。アンケートでは、「細かいところまで思い通りにできて、楽しかったです。」「古代人は遺物に工夫をほどこしてきたことで、今の便利な世界があるのだなと思いました。」「昔の人の技術におどろいた。」という声が聞かれ、充実して取り組んだことがわかりました。
今回は歴史の知識の少ない幼い子どもたちが多い集団でしたが、幼いながらもそれぞれの子どもたちは大昔の人たちのくらしを思い浮かべたことでしょう。また、こうした活動の記憶は、歴史学習と出合ったときに強く思い出されることでしょう。今後も、昔の人々の生活を考えてわくわくしたり、昔のことについて調べてみたいと思ったりできるように講座内容を工夫していきたいと考えています。