今回は、三重県生涯学習センターと共催で、「伊勢街道沿いの中世集落を行く―中林・中道(なかばやし・なかみち)遺跡、小津(おづ)遺跡の調査から―」と題して、三重県埋蔵文化財センター職員の水谷豊(みずたに ゆたか)が講演を行いました。参加者は、82名と大変多くの方においでいただき、満席に近い状況でした。
講演では、まず、古代~中世の「伊勢道(いせどう)」について、文献等をもとに具体的なルートを推定したり、駅家(うまや)が置かれていたことを紹介したりしました。
次いで、今回の講演の中心である遺跡の調査成果の説明に入りました。
中林・中道遺跡では平安時代ごろから、小津遺跡では鎌倉時代からの遺構が見られることに触れ、特に中世後期(室町時代)になると、屋敷地の区画の違いなどから2つの遺跡は性格が異なることを話しました。
出土遺物の説明では、会場の一角に展示された遺物を1点ずつ詳しく解説しました。中でも小津遺跡のサイコロや、中林・中道遺跡で見つかった墨で字の書いてある土器は参加者の注目を集めました。
講演終了後には、展示された遺物を観察する時間が設けられました。参加者の方々は熱心にご覧になり、講師に質問される方もおられました。
多くの方においでいただきました | 熱心に聴き入るみなさん |
遺物を1点ずつ説明しました | 講師といっしょに遺物を観察 |