今回は、「近世伊勢別街道と窪田宿(くぼたじゅく)―六大(ろくだい)B遺跡の調査から―」と題して、三重県埋蔵文化財センター職員の本堂弘之(ほんどうひろゆき)が講演を行いました。当日は、日差しが強い中、50名もの方にご参加いただきました。
講演では、まず古代の都から伊勢への道について、都が飛鳥、平城京、平安京へと北上するにつれて、道も北上し、その道に関係する道路遺構が津市内の遺跡で発掘調査によって見つかっていることを解説しました。
また、近世の伊勢別街道については、北端の「関宿 東の追分」から南端の「大部田(おおべた)の追分」までを、現在も残る道標や旅籠跡などの写真を使って紹介しました。
さらに、津市の六大B遺跡は近世伊勢別街道の窪田宿の一角にあたり、発掘調査によって4棟の礎石建物跡などが見つかり、特にそのうちの1棟は寺のお堂を思わせる頑丈な基礎をもつ礎石建物跡で、窪田宿にのこる「念仏屋」の屋号との関係を指摘しました。
六大B遺跡では、在地の土器のほか、瀬戸・美濃、肥前、信楽で作られた陶磁器が出土しており、参加者は椀や皿だけでなく燈明具や化粧道具など多種多様な遺物を熱心に観察しておられました。
参加者の中には、街道について研究されている方もおられ、講師に熱心に質問をされている姿が印象的でした。
暑い中、多くの方においでいただきました | 熱心に観察されるみなさん |