はじめに、考古学とは読んで字の如く、「古い時代のことを考える学問」なのだと説明し、いつ・どこで・なにを・どのように・どうしたなどの、「WHY」(どうしてそうなった?)を念頭に授業に臨んで欲しい旨を説明しました。
次に、縄文時代と弥生時代の比較をしました。「気候は暖かかったのか、それとも寒かったのか」「食べ物はどんな風にして、何を食べていたのか」などを話し合いながら、時代の変化とともに変わっていったもの・ことについて学びました。その一例が、「道具」と「武器」の違いです。縄文時代と弥生時代の石鏃(せきぞく)を実際に見比べながら、時代とともに変わっていった事柄について考えました。
また、地元である雲出の遺跡についても学びました。現在と過去の地図を見比べ、出土した壺や高杯(たかつき)、甑(こしき)や陶磁器(とうじき)などに実際に触れながら、昔の人の知恵について知りました。「土器に触りたい人はいますか」と尋ねると、ほとんどの子どもたちが元気よく手を挙げたため、5人1列になって、全員が順番に土器に触れる時間を設けました。
子どもたちは、土器を持ち上げて「重い」「すごい」と笑顔を見せるだけでなく、「土器の模様にも注目してみて」と言うと、「弥生時代は綺麗な横線でデザインしている」と注意深く観察している姿勢もみられました。最後に、今までみてきた土器が、毎日歩いている通学路などでも出るものだと知ると、驚きの声があがりました。
歴史の授業というと、暗記科目という印象が強く、つまらない・苦手と感じる子どもたちも少なくありません。しかし、歴史は暗記するだけのものではなく、「考える学問」であり、遠い世界のことではなく、もっと身近にあるものなのだと感じてほしいと考えています。今後も全員が本物に触れることができる活動を通し、「気づき」の多い授業を重視していきます。