平成29年9月9日(土曜日)に、三重県埋蔵文化財センター嬉野分室において、公開考古学講座「三重を掘る」(第3回)を開催しました。
今回は、「石薬師東古墳群について~そのナゾを探る~」と題して、三重県埋蔵文化財センター職員の服部芳人(はっとりよしと)が講演を行い、残暑厳しい中、55名の方に参加をいただきました。
石薬師東古墳群については、なんといっても全国に類例のない、頭部の造形が特徴の馬形埴輪が注目されています。しかし今回はその馬形埴輪にとどまらず、出土した他の特徴的な土器について、またかつて遺跡の範囲に立地していた、こちらもやはり謎の多い旧陸軍の通信部隊について、そして、近隣の古墳群との比較など、石薬師東古墳群を様々な角度から考察した講演となりました。
さらには、発掘調査に対する当時の注目の高さや、調査の様子など、調査担当者からでなければ聞けない内容に、みなさん熱心に聞いておられました。
講演後も「馬形埴輪の類例を朝鮮半島に求めることはできないのか」「被葬者としてどの様なものを想定しているか」「バラバラの破片をどの様に組み立てていったのか」など、いつもにまして多くのご質問や、𤭯(はそう)といった遺物の観察でも多くのご質問をいただき、参加者の興味・関心の高さがうかがえました。