5月13日(土曜日)に、三重県埋蔵文化財センター嬉野分室において、公開考古学講座「三重を掘る」(第1回)を開催しました。
今回は「神に奉る土器!?-古堀遺跡と土器づくり-」と題して、三重県埋蔵文化財センター職員の鐸木厚太(すずきこうた)が講演を行い、雨が降る中、44名の方に参加をいただきました。
明和町にある古堀遺跡の調査では、奈良時代の土器を焼いていたと考えられる土師器焼成土坑が確認されました。土師器焼成土坑は二等辺三角形を呈し、北野遺跡など周辺の遺跡でも同様な遺構が数多くあることを紹介しました。土師器焼成土坑が多くある原因として、斎宮や伊勢神宮など土器を多く消費する場所が近くにあったからでは?という考察を行いました。
終了後、特殊な器形から儀器と考えられている有孔広口筒形土器(北野遺跡出土)を参加者の方が興味深そうに見ていたのが印象的でした。また、土師器焼成土坑が三角形の形をしていることに、不思議そうに思われた方も見受けられました。みなさんが持たれた疑問や発想が考古学の謎を解決するかもしれませんね。