平成29年6月9日(金)、大杉谷自然学校職員をはじめとした10名を対象に、宮川流域における旧石器~縄文時代遺跡出土遺物について、特に石器に着目して概要説明をしました。また、石器づくり体験を通して当時の人々の生活について考えることを主題として、講座を行いました。
宮川流域遺跡における石器については、主に4種の石材(チャート・サヌカイト・下呂石・黒曜石)を使用していたのですが、今回はその中でもサヌカイトを素材として、粗割りを経て剥片をとり石鏃(石の矢じり)成形へと順を追って実演・説明をしたうえで、実際に石器を作ってもらいました。みなさんの積極的な取り組みのおかげで、各人それぞれに石器を作ることができました。
石を割ることは難しく、失敗も多くあるのですが、旧石器、縄文時代の人々はいかにして石器づくりに適した石材を見つけ、効率よく石器を作っていたのか、石器づくりに必要な道具の選定をどの様にしていたのかといった、当時の人々の知恵や技術の高さについて実感とともに伝えることができたと思います。
今後、自然学校で子どもたちに石器づくり体験を行ってもらう中では、子どもたちには石器づくりは難しいと思いますが、その難しさが、旧石器、縄文時代の人々の生活について考える一つのよい体験になると思いますので、今回の体験を通して実感できたことを子どもたちに伝えていただけたらと思います。