伊勢高等学校が取り組むSSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業の一環である「地域の諸問題に関する特別講義」として出前授業を行いました。参加者は同校一年生の選択受講生徒9名でした。
前半は、「遺跡から見つかった貴重な刀や木製品を守れ!-考古学に活かされる理化学的保存処理-」と題して、講義を行いました。当センターの日常業務等の説明から始め、出土遺物に理化学的処理や、自然科学分析を行うことで可能となる地域の歴史の解明の仕方やその種類などについて紹介しました。
後半は、出土遺物の観察と解説を行いました。講義のなかで紹介した遺物を中心に、実物を見ながら、保存処理の手法や、手法ごとの特性や長所・短所の解説、また自然科学的なアプローチの仕方のいろいろを紹介しました。
参加した生徒からは、「縄文時代の遺跡の埋蔵深度はどれくらいか」、「中世の刀はすべて短い(腰刀)サイズか」、「伊勢におけるガラス玉の下賜は数量が多い方か、少ない方か」、「出土鏡もかつては復元模造鏡のような色・映り具合だったのか」など、多岐にわたる質問が寄せられました。興味を持って遺物を観察し、生徒間での意見交換を行っていました。