石鏃に関しては、地元でとれるチャートの他、長野県産出の黒曜石や奈良と大阪の県境にある二上山(にじょうざん)のサヌカイト、岐阜県下呂地方の下呂石など、さまざまな産地の石材で製作されています。また、石器の素材となる大きな剥片(奈良県産のサヌカイト)が見つかったことから、遠方から石器に適した石材を運び製品をこの地で製作していたことがわかりました。また土器には、縄文の他にうずまき模様や矢羽状の模様が見られ、立体的な装飾などの特徴は、岐阜県美濃地方の土器の特徴と似ています。これらのことから当時の人々が東西のさまざまな地方と交流し、文化の影響を受け色々な道具を作り使用していたことを説明しました。
次の遺構の説明では、石囲い炉のある竪穴住居を中心に、縄文時代中期の人々のなまなましい生活の跡をみていただきました。落とし穴を使った狩りの様子をパネルを使って説明すると、うなずきながら説明に聞き入る参加者の姿が見られました。
「東西文化の交流」をテーマとした今回の説明会では、調査員2名のかけあいで進めた説明会の終了後も「どうしてここに遺跡があるとわかったのか」「説明のあった遺構の穴以外の穴は何か」など熱心な質問が相次ぎ、大盛況、大好評の現地説明会となりました。
立体的な装飾の縄文土器の説明 | 石囲い炉のある竪穴住居の説明 |
縄文時代の親子になりきっての解説 | パネルを使っての落とし穴の説明 |