考古学ってなんだろう? ~ひとのくらしを考えるために~
伊勢高等学校SSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業
平成26年3月7日、伊勢高等学校SSH事業の「地域の諸問題に関する特別講義」への出前授業を行いました。この特別講義は校外からの講師により行われます。当センターの講座には、SSH履修者を含む1、2年生10名が参加してくれました。
SSH事業であり理系の生徒が主であるため、考古学という文化系、歴史系の学問分野と物理学、数学という理科系の学問分野の接点を「考古学ってなんだろう?~ひとのくらしを考えるために~」と題して講座を開きました。
考古学が取り扱う「遺跡」には人間のこれまでの暮らしが埋まっていること。そして、その解明にはたくさんの学問分野が関わっていることを話したあと、年代測定の方法から「炭素同位体比測定法」と「年輪年代測定法」について説明しました。測定の実例として持参した松阪市の粥見井尻遺跡と筋違遺跡から出土した土器を手にとってもらい、付着しているわずかな「こげ」から測定できることや、粥見井尻遺跡の縄文土器は13,417年~13,119年前という結果が出ていること。また、分析機器の進歩から精度が上がってきていること、新しい分析法も実用化されていることなどもお話ししました。
生徒からは「考古学は社会だけやればいいと思っていたが、数学、英語、理科などいろいろな関わりがあるとわかった。」や、「文系と理系の連携が重要なんだ。」「考古学にロマンを感じるようになった。」などの感想が寄せられました。