公開考古学講座第6回を開催しました
2月23日(土曜日)、公開考古学講座「三重を掘る」(第6回)を開催し、69名の方に聴講いただきました。
今回は、当埋蔵文化財センター職員の森川常厚(もりかわつねあつ)が、「発掘調査結果からみた伊賀の館」という演題で講義しました。
はじめに、伊賀の地勢(盆地、近畿地方に接しているなど)や歴史(強力な戦国大名は現れなかった、小規模勢力の集まりなど)について解説しました。
次に、現在も居住されている館(やかた)、残っている土塁(どるい-土を盛って土手状にしたもの)や堀のあとについて、写真をもとに説明しました。
そして、「箕升氏館跡(みのますしやかたあと)」の発掘調査結果から明らかになったことと見解を述べました。館内は、中心となる建物・空地・小規模建物群などが4つの区画に分かれて存在しており、この特徴は伊賀の館に共通してみられることが分かりました。こうしたことから館全体は常に戦闘を意識したものではなく、平時の生活空間に戦時の防御を施したものではないかと考えられます。
参加者は熱心に講師の話に聞き入っていました。
講座の様子 |