表面欠点「色ぼつ」の防止法
現在、文献に記載されている「色ぼつ」の欠点防止法を左欄に示します。 右欄には、当研究会で検討した結果として、その意味(科学的理由)を示します。
色ぼつ:表面に着色斑点の出たもの(鉄粉の場合が多い)
欠点防止法 | その意味(科学的理由) | |
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1 | 精製した粘土を使用すること | 粘土中には色ぼつの原因となる鉄鉱物などが含まれることが多く、これを除去した粘土を用いる。 |
2 | 諸設備から鉄粉や銅合金粉の入らないようにすること | 鉄、銅などの遷移金属が色ぼつの原因となるので、これらが混入しないようにする。 |
3 | 素地泥しょうや釉のふるいを細かいものにすること | 鉄などの呈色原因となる粗粒子をふるいによって除去する。微粒子は色ぼつにはなりにくい。 |
4 | 素地泥しょうや釉泥しょうを脱鉄すること | 素地、釉の泥しょうに含まれる鉄鉱物などを磁石で除去することで色ぼつを防ぐ。 |
5 | 焼成用空気をフィルタで通すこと | 焼成用空気に含まれる鉄などをフィルターで除去する。 |
6 | 乾燥中にほこりが付着しないようにすること | 鉄などの呈色原因となるほこりが付着しないようにする。 |
7 | クロムなどの入った釉薬を使用した製品のさや鉢は別扱いにすること | クロム(Cr)などの入った釉薬を使用した製品のさや鉢には、揮発したCrなどが付着しているため、色が移りやすく、同様の製品以外には使用すべきでない。 |