入社4年目の私が1人から始めた、会社の“変革”!
PROFILE
横関 美香さん 【2018年ファイナリスト オーディエンス賞受賞】●光洋メタルテック株式会社(伊賀市)
人事部多様性推進グループ主任、人事グループ主任
業種:輸送用機械・機具 部品製造、ベアリング・ステアリング部品の製造
大阪府出身。大手通販会社コールセンターのスーパーバイザー、大手通信機器メーカーの法人営業などを経て、2012年に三重県へ転居。2014年に光洋メタルテック株式会社に派遣社員として入社、その後正社員に。2018年5月、会社改革を目指し1人で社長に直訴。『みんなが幸せになればいいじゃん』をモットーに、社内へのダイバーシティ&インクルージョンの浸透に奮闘中。キャリアコンサルタントの資格取得にも励む。
私の使命
「社長、私に会社を変えさせて下さい!」
横関さんの職歴は、豊富で華やか。「関西の大手通販会社では、新人研修担当とコールセンターのスーパーバイザーに就いていました。その後就職したフィットネスクラブでは、店長に」。しかし家庭の事情で転居した伊賀市では、これまでのやり方が全く通用しなかったといいます。伊賀での就職先は、創業半世紀の車両部品メーカー、社員数約450名の光洋メタルテック株式会社でした。「仕事に疑問や異論を唱えても暖簾に腕押し。組織の論理に縛られて、個の意見はどこにも届かない」。思い余った2018年に、入社4年目の横関さんは1人で社長室に乗り込み、啖呵を切りました。「社長、この会社はおかしいです。私に会社を変えさせて下さい!」。会社を変えることが、会社への恩返し
勇気を奮ったきっかけは、自身の“がん”の寛解でした。「2016年にがんが見つかり、臓器摘出手術を受けました。職場復帰後もしばらくは体調が戻らず、休憩時間に車で横になったことも。この時に初めて私は、自分が死ぬことを意識しました」。体調の回復を実感できたのが2018年5月。文字通り“死ぬ気になれば何でもできる”精神で社長に訴えかけたといいます。諦めて転職する道は、全く考えませんでした。「40歳を過ぎた私を雇用してくれた会社に対する恩があります。受けた恩は行動で返すべき」。横関さんが目指したのは、誰もが憧れる良い会社。働きがいがあり、社員が生き生きした会社。横関さんの挑戦が始まりました私流リーダーシップ
仲間を募り、理解の波を徐々に広げる
横関さんは社長(当時)に諭されました。「会社を変えたいなら仲間をつくれ」。その言葉を受け、早速仲間の勧誘を開始。同僚の萩森康成さんと藤岡佑介さんに声をかけました。「2人とも部内で人望の厚い人です。私の思いを汲んでくれました」。その日から3人は退勤後に集まり、会社の改善点を洗い出しました。挙がった主な内容は、形骸化した書類・会議・研修の見直し/働きがいの向上/目標の共有/環境改善など。これらの問題を5年で解決するロードマップを作成。離職率の低下や、会社に対する愛着度の向上が望めることを提案書にまとめました。3人で仕立てた提案書は、専務に受理され、経営会議を経て即日採用されました。学びを忘れず自分が“自律型人材”になる
会社は速やかに改善策を実行しました。主には、①多様性推進チームの新設 ②専門家によるダイバーシティ研修 ③課長と部下が1対1で対話する『1on1ミーティング』④朝の挨拶運動 ⑤女性社員の社外研修への参加など。横関さんは人事部社員として、①②④⑤を担当します。「ダイバーシティ推進者として間違ったことを伝えてしまわないように」と、キャリアコンサルタント養成講座などを受講中。『自律型人材育成ファシリテーター』の資格は、専務や社内の賛同者4人で取得。「私が言いたいことは一つ『みんなが幸せになればいいじゃん』」。1人で始めた戦いは、仲間ができ、上司にも見守られるように。横関さんの挑戦は、まだ始まったばかりです。社外メンターとして
お話&アドバイスできる内容
■キャリアアップ・キャリアデザイン
■人材育成
■障がい者雇用
こんな講演・相談に対応できます
■会社を変える具体的改善策
■会社に響く提案書作成
■自律型人材を目指す社内啓発
■社員研修(秘書検定準1級・労務管理士資格あり)
所属事業所概要
●光洋メタルテック株式会社
三重県伊賀市佐那具町1626番地
http://www.koyo-mt.com
社員数:470名
私の癒し
ペットのジャンガリアン ハムスターの李(すもも)メス6か月です。部屋の中で放し飼いしています。李のお陰で、家の中ではいつもニヤニヤしています。2018年11月 取材