自治会長と歩み14年。目指すは“防災先進シティ四日市”
PROFILE
大瀧 あずささん【2017年ファイナリスト】●四日市市自治会連合会事務局(四日市市)
事務局長
業種:自治会事務
約10年間の専業主婦を経て、四日市市自治会連合会のパート事務員として復職。その後、組織は独立し、たった1人で事務局を任されるように。連合自治会長や行政と連携し、連絡・調整・運営事務を担当。業務に携わるうち、地域防災に関心を持ち、女性用品の備蓄の充実や、女性の視点を取り入れた避難所運営マニュアルの作成に着目。事務方として実現に向け奔走した。完成した手引き書は熊本地震や西日本豪雨の被災地でも活用された。
県・市町の附属機関の委員等履歴
・四日市市男女共同参画審議会委員(2015年~)
・四日市市人権懇話会委員(2018年~)
私の使命
主婦パートが自治会の事務局を一手に…
住民同士が自治組織を形成し、地域の福祉・防災・環境整備等に取り組む“自治会”。近年では相互共助意識が希薄になり、自治会が解散したというニュースも。「三重県四日市市の自治会加入率は約85%。これは全国的にも高い割合です」。そう解説する大瀧さんは、四日市市自治会連合会(以下、四自連)の事務を担って14年。四自連とは、市内725の自治会をまとめる連合組織。市内を28の地域に分け、それぞれに連合自治会長が置かれています。大瀧さんの役割は、行政と28の連合自治会を結ぶ運営事務。「元々はブランク10年の子育て主婦でした。パートの事務職に応募したつもりだったのに、いきなり事務局を一手に任され、戸惑いもありました」。地域の備蓄倉庫に女性用生理用品は?
四自連が独立組織となった2005年までは、市職員が事務職を代行していました。その頃ちょうど採用されたのが大瀧さん。「何も分からない私を、28人の連合自治会長さんは、よく助けて下さいました」。ある日、大瀧さんに一つの疑問が浮かびました。“市内の自治会防災倉庫に、生理用品や化粧水の備蓄は?”。自治会長にたずねてみると、早速生理用品が備蓄されることになりました。「東日本大震災以降、弱者への防災対策が見落とされがちと、各地で議論されています」。大瀧さんは、女性/乳幼児/高齢者/障がい者など、多様な人々の視点に立ち、きめ細やかな防災対策を四日市市でも進めていくよう、率先して啓発しています。私流リーダーシップ
女性の視点を入れた『避難所運営の手引き』完成
28人の連合自治会長は、全員男性。「中には私の父親に近い年代の方も。皆さん地域のためにと立ち上がった優しい方ばかり」。女性や子ども、高齢者や障がい者などの社会的弱者を災害時にどう保護するかは、各自治会長の強い関心事でした。そこで大瀧さんの声から四自連で出したアイデアは、女性の視点を取り入れた避難所運営手引きの制作。四自連と、四日市市地区防災組織連絡協議会が一体となり、四日市市危機管理室に企画・提案。大瀧さんは、資料整理や連絡窓口を務めました。こうして手引きは2015年度に完成、市のHPでも公開中です。先の熊本地震や西日本豪雨災害の際には、現地の避難所運営に役立てられたほどの充実ぶりです。地域にもっと女性防災グループを
四自連が2018年度に取り組んでいる課題は、案内プレート。「避難所運営では迅速な“スペースの割り振り”と“通路の確保” が重要と知りました」。更衣室や授乳室などの用途ごとに、誰にでも分かりやすく、災害時すぐに活用できる案内プレートを大瀧さんは検討中です。さらに四自連では“女性防災グループ”の結成にも力を注ぎます。2017年度は段ボールベッドを女性だけで組み立てる体験会を開催。大瀧さんは地域の女性に問いかけます。「避難所に離乳食や鏡があるかご存知ですか? 知ればきっと防災活動に参画したくなるはず」。女性防災グループがあるのは、現在5地区。「市内全地区に女性防災グループが生まれることが、私の目標です」。社外メンターとして
お話&アドバイスできる内容
■地域資源活用■防災
こんな講演・相談に対応できます
■非常用持出袋の中身について■「避難所運営の手引き」の内容紹介・制作秘話
■避難所づくりの要点
■四日市市の防災活動事例
所属事業所概要
四日市市自治会連合会事務局三重県四日市市諏訪町1-5四日市市役所北館1階
職員数:2名
私の癒し
オフは気分を切り替えて。時間があればスポーツ観戦やイベントに出向き、夢中になって楽しむことでストレス解消しています。2018年8月 取材