乳幼児ママのスキルと知恵で、社会をあっと言わせたい!
PROFILE
伊藤 理恵さん【2016年ファイナリスト オーディエンス賞受賞】●特定非営利活動法人マザーズライフサポーター(鈴鹿市)
理事長
業種:子育て支援
大学で社会福祉を専攻後、広告代理店で2年勤務。結婚・出産のため退職し、第1子の育児中に“孤育て”を経験。第2子妊娠を機に鈴鹿市でママ支援サークルを結成、2013年にNPO法人化。ママ会員がおんぶ紐姿で企業を訪問し密室育児問題を提起。乳幼児ママとの協業を呼びかけた。協力企業数は現在約200社を超える。2015年に第3子を出産。ママと企業を結ぶ取組は、市外・県外にも拡大中。
県・市町の附属機関の委員等履歴
・三重県地方創生会議委員(2014年度~)
・三重県教育改革推進会議委員(2018年度~)
私の使命
孤立するママを社会の輪に入れる活動
「就労経験がなくても、1時間しか働けなくても仕事できます!」。伊藤さんは地域のママに広く呼びかけます。設立したNPO法人『マザーズライフサポーター』の主な事業は、ママが休息できるカフェの運営/親子お出かけ情報誌の発行/企業とタイアップしたイベント開催/事業者の依頼に応える“ママの業務請負”など。そこから派生して、託児/清掃/企画/経理など多彩な業務が発生しています。活動を支援する協力企業は約200社。“我が町にも取組を導入したい”と熊本県、福岡県、秋田県、静岡県など12の地域が名乗りを上げています。“ママの力を企業に供給するNPO”として、伊藤さんのアイデアは各方面から注目を集めています。ママが社会に褒められ、認められるために
学生時代は社会福祉を専攻。「虐待児を救いたかった。でもいざ自分が母になると、虐待に共感できる気がしてぞっとした」。子どもの環境改善には、“ママが褒められること・認められること”が不可欠と伊藤さんは考えました。ママによる業務請負は、そんな社会問題の解決を目指す取組の一つ。「人材派遣業者ではママ労働者は失敗できませんが、うちのNPOはそうではありません」。ママ労働者への事前教育は最低限。教育を含めて、企業に委ねます。これにも伊藤さんの体験が影響しているとか。「社会に出ると、思いのほか“あなたを育ててあげたい”と思ってくれる志の高い人に出会えます。そんな人にぜひ出会って欲しい、そして刺激を受けて欲しい」。私流リーダーシップ
ママの知恵袋を寄せ集め企業へ提供
「ママはたくさんの知恵と人脈を隠し持っています。それらはもっと活用されるべき」。同NPOは、企業とママの協業で大小40の事業請負プロジェクトを現在進行中。例えば農作物の収穫・袋詰め/小売店での品出し/新商品開発/会員ネットワークの構築など。現在、伊藤さんが注力しているのが「北九州の小売業さんからの依頼で“おんぶ紐ワークウェア(労働着)”を開発しています!」。もうすぐ伊藤さんの手を離れ、分社化予定の事業もありました。スーパーの生鮮食品売場に“ママがセレクトした産直野菜コーナ”を設置運営する『mamma(マンマ)』事業。「産直で8%の利益を出しています」これは業界標準を大きく上回る利益率といいます。サークル活動からママ社長が誕生!
『mamma』が分社化すると、1人のママ経営者が生まれることに。同NPOで進行中の大小プロジェクトには、それぞれに経理や企画担当を配置しており「プロジェクトが商業化可能と分かれば、新しい会社を興します。切り分けの際もスムーズです。キャリアが一度途絶えたママが会社経営者になれるなんて、素敵でしょう?」。一方、就労初心者ママは小さなプロジェクトに参加。気負わず始められ、無理なく成長できるといいます。「小さく生んで大きく育てる。子育てと同じです」。伊藤さんの目下の悩みは「世の夫に全く理解してもらえない!」。会社ではなく“事業”に所属する新しい働き方の浸透を願い、伊藤さんは東奔西走します。社外メンターとして
お話&アドバイスできる内容
■起業■NPO設立
■地域資源活用
■その他(ソーシャルビジネス)
講演実績
2018年 「子育ても仕事でも自己実現を」(日本福祉大学)
2018年 「ママだから気になる安全な農」(名城大学)
2018年 「女性が活躍できる社会を作るには?」(日本福祉大学)
こんな講演・相談に対応できます
■子育て支援のビジネスモデル
■企業にママの力、導入事例
■ソーシャルビジネス事業紹介
■産直運営・安全な農について
所属事業所概要
●特定非営利活動法人マザーズライフサポーター
三重県鈴鹿市稲生3-8-2
http://motherslife.info/
社員数:20名
事業内容:子育て支援
私の癒し
3人の子ども達と動物園に行き、気づくのですが、カピバラって芸もせず何もせず、それでいて人気者。癒し役で、憧れます。『マザーズライフサポーター』のカピバラを目指して努力しなきゃと思います(笑)。2018年8月 取材