「女性がイキイキと働く企業」10選!
特定非営利活動法人マザーズライフサポーター
○子育て支援業○住所:三重県鈴鹿市
○従業員数
全従業員数:28名
うち女性従業員:28名
代表の伊藤さん(下中央)と堀内さん(右から2 番目)。団体が運営する『ニコママカフェ』内にて。
乳幼児期のママだからできること
事業運営を支えるスタッフ28名は全員が乳幼児期のママ。出勤は不要で、取引先との打ち合わせは、自宅から直行直帰。時にはおんぶ紐で我が子を背負って取引先に行くことも。また、法人営業担当者のうち、営業職の経験者はゼロ。しかし企業との共催イベントでは、100組を超えるターゲットを動員した実績も。全てのスタッフには、"苦手なことを避けて"仕事するよう徹底しています。
常識を覆す、驚きのルール満載のこちらは、"ママの・ママによる・ママのための"特定非営利活動法人。『乳幼児期のママが持つ価値を社会に提言する』を目的に、平成25年に設立されました。
「どこへ行くにも子どもを背負って。もちろん活動当初は、訪問先に困惑されたり相手にされなかったり。けれど今は、おかげ様で随分と理念が浸透しました。例えば、協力企業さんの会議室で幼児が遊ぶ姿も、"いつもの風景"と見てくださるように」と理事長の伊藤理恵さん。活動を応援する企業は、現在98社にものぼります。
同法人がこれまで手がけた事業は、イベントの企画運営、子ども向け商品の共同開発、臨時就労者が必要な企業への人材派遣など。どの事業も顧客が求める価値を提供しながら、『ママが輝けること』を最重要目的としています。
大手住宅メーカーとの共催 「ママ達にもっと社会との
イベント。大盛況! 繋がりを持って欲しい!」
業務を細分化し"得意" を発揮し合う組織に
スタッフは皆、元々は同法人が運営する事業の参加者でした。昨夏からスタッフになった堀内涼子さんもその一人です。「『子育ての息抜きができて、お小遣い稼ぎもできるよ』とママ友に誘われ、『ニコラボ・ワーク(臨時就労)』に参加したのがきっかけ。ある日運営から『堀内さんは文学部卒らしいね』と参画のお誘いが。ママ達の情報拡散力で、私の経歴や特技が伝わったみたいで」。
これには同法人のユニークな働き方が背景にあります。「業務をできるだけ細かく分け、得意なことだけをやってもらっています。苦手なことには手をつけず、それを得意とする人をさがしてくる。そうして、ママ達の能力を存分に発揮できるようにしています」と伊藤さん。
ママのマルチタスク力と育児データは大きな潜在資源
堀内さんは、ここで働く理由を「家庭最優先で、無理なく働けるところ」と言います。「子どもと一緒にいたい気持ちが尊重されることが嬉しい」とも。
その心情を、同じく育児中である伊藤さんは、このように解説します。
「『自分がいないと回らない職場』を、彼女達は恐れます。ママの社会進出を阻むのは、労働条件の厳しさ。育児中の女性はマルチタスク能力に長け、子どもの数だけ豊富なデータを持っているのに、今の社会が有能な彼女達の能力を生かしきれていない」。
ママの力だけで成果を出す同法人。この活動が共感を呼び、現在は名古屋や熊本にも活動の輪が広がっています。事業の成長が社会の発展に繋がる"新機軸" を、彼女達が先陣を切って社会へ示しています。