「女性がイキイキと働く企業」10選!
日本土木工業株式会社
○総合建設業○住所:三重県南牟婁郡御浜町
○従業員数
全従業員数:21名
うち女性従業員:4名
左から垣本常務、中野社長、伊藤さん。
女性が輝く工事現場 10年をかけ成熟
道路や橋梁など、地域住民の生活を支える日本土木工業株式会社。この日の作業現場は、台風で被災した河川公園。土石流が流れ込んだ危険な現場ですが、技術員の伊藤順子さんは、慣れた足取りで安全な場所を見極め歩きます。
「女性の私でも現場技術員になることができ、本当に嬉しいです。他社で断られた経験もあったので」。
これには無理もないと、同社の中野周一社長は業界の現状を語ります。
「工事現場の環境は、例えば夏だと、1日に何回かの着替えが必要になることも。仮に女性が来ても"では、どこで着替えを?"と。そこから考える必要があるんです」。
同社は平成18年から、女性の現場技術員を受け入れてきました。きっかけは、現場監督を志望する女性が現れたこと。「同じ女性として応援したいと思った」とは当時面接をした常務の垣本美和さん。彼女の熱意を何とか形にしようと社長を説得し、女性活躍への取組が始まりました。
技術員の伊藤さん。測量を担当。 敷地内には移動式の女性専用
休憩室もスタンバイ。
出産・育児の制度も整備 ポイントは"男性も取得できる"
現在は、現場の女性活躍がすっかり定着。伊藤さんは、男性に力仕事を頼ることが多く心苦しいと言いますが、「皆さんが快く手を貸してくれる分、データ処理では逆に頼りにされたい」と勉強に励みます。
女性技術員の妊娠を機に、同社は出産・育児に関する社内制度整備にも取り組みました。これには垣本常務の願いが盛り込まれています。「男性社員も子育てに参加して欲しい。形骸化しない制度にしたい。2つの願いを込め、平成24年に『育休キャンペーン』を始動しました」。
育児休業の有給化(5日間)に加え、紙おむつや粉ミルクの進呈。その際、希望する商品名を社員が指定できるよう配慮しました。このことで各家庭では一層会話が生まれ、職場では育休取得のムードが醸成されたといいます。
以降、配偶者出産特別休暇・育休ともに取得率は100%を達成しています。
女性の目線で現場を視察
女性社員の力は、現場の安全管理にも生かされていると社長は評価します。
「例えば足場を組んだ際に生じる、わずかな段差。男性達は見過ごしがちなのですが、これは本当に危険なんです。彼女達は小さなリスクも看過しない丁寧さを持っていると感心します」。
同社では事務職員にも安全靴を支給し、工事現場の安全パトロールを実施しています。安全性の向上だけでなく、現場と事務職の相互理解も深まりました。
土木工事はチーム作業。 同社は"思いやり"や"認め合い"を武器に、仕事の精度を高め合っています。
「私達も現場視察。
女性の視点でより安全に!」