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令和元年12月16日

令和元年度三重県保健環境研究所調査研究評価委員会(衛生分野)

研究課題の目的

  事前評価

公衆浴場等におけるレジオネラ属菌制御を目的とした先駆的手法の実地検証

   レジオネラ属菌は、公衆浴場に代表される人工水系の衛生管理に不備があると増殖し、エアロゾルを介して経気道感染すると、重篤な肺炎を引き起こすことがある。レジオネラ症は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)に基づく届出数が年々増加し、現在は全国で年間2,000件を超えるまでになっており、レジオネラ肺炎にかかると、特に高齢者等のハイリスクグループでは重症化し、死亡することもある。
 これまでに当研究所が実施してきた経常研究事業「従来型の塩素系薬剤に阻害要因を有する浴用水の衛生管理方法の最適化」では、三重県の温泉に特徴的なアルカリ性の温泉やアンモニウムイオンを多含する温泉を対象として、従来型の塩素系薬剤である次亜塩素酸ナトリウム消毒に対する阻害性を実験的に捉えるとともに、次亜塩素酸ナトリウムに代わる消毒剤のひとつであるモノクロラミンを用いて、その消毒効果の有用性について、明らかにしてきた。
 当研究所が実施してきたモノクロラミンの研究成果は、厚生労働科学研究班に報告され、従来型の塩素系薬剤に代わる新規消毒法のひとつとしての有用性を支持するひとつのバックデータとして活用されているが、より具体的かつ有意義な指針の策定を図るためには、多様な泉質やバックヤード設備状況において、浴用水質や施設状況等に起因する複合的なレジオネラ汚染リスクの低減を目的とした実地的な検証をさらに進める必要がある。
 そこで、本研究は、三重県内の様々な温泉水や施設に対して、従来法に代替する消毒方法を用いた実地試験を重点的に実施する。それらの情報発信と成果普及を通じて、生活衛生営業施設の自主的な衛生管理の推進と、県民の健康被害の未然防止に資するものとする。
 

事後評価

遺伝子解析によるノロウイルス流行株の把握に関する研究

 県内で発生した食中毒等の健康被害事例や小児の感染性胃腸炎から検出されたノロウイルスの遺伝子を解析することにより流行株の遺伝子型を分類し、その動向を早期に把握するとともに、これらの情報を関係機関と共有することによりノロウイルスの予防対策に資する。また、国立感染症研究所が検討している新しい遺伝子型分類法を導入し、遺伝子解析の精度向上を目指す。
 

症候群サーベイランスシステム(さっちみえ)の効果的な活用の検討

  平成23年度から三重県で導入された症候群サーベイランス(さっちみえ)の効果的な活用を検討する。
 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 保健環境研究所 〒512-1211 
四日市市桜町3684-11
電話番号:059-329-3800 
ファクス番号:059-329-3004 
メールアドレス:hokan@pref.mie.lg.jp

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