「燐酸アルミニウムを主成分とする素材からの資源化方法」の発明にかかる特許取得(資源循環研究課)
(1)特許の内容
科学技術振興センター保健環境研究部(現三重県保健環境研究所)は、JFEエンジニアリング株式 会社と共同で、電子や機械部品関連工場等から排出されるリン酸アルミ ニウムを高濃度に含む排水汚泥から、比較的簡易な処理によって工業材料 への資源化が期待できるリン酸ソーダとしてリンを、また、土壌改良材など への利用が期待できるゼオライト状物質を同時に回収する技術を開発し、 このたび特許を取得しました。
(2)経緯
出願日は平成12年12月14日で、特許登録は平成17年4月15日です。
(登録番号 特許第3666739号)
(3)開発した特許の効果
この方法では、リン酸アルミニウムを含んだ汚泥に粉末状の珪石と炭酸 ソーダを加えて900℃に加熱し、これに水を加えることにより、リン酸 ソーダとゼオライト状物質を同時に回収することができます。
廃棄物の増加から処分場の確保が困難となる一方で、リンは枯渇が懸念 されている資源で、日本は全て中国・モロッコからの輸入でまかなって いますが、今後中国の経済発展により中国国内で消費され、輸出にまわら なくなるおそれがあります。
この技術により、これまで廃棄物として排出されていた汚泥からリンの 回収が可能となり、リン資源の確保につながることが期待されます。また、 ゼオライト状物質についても有効利用が考えられることから、廃棄物の 減量化にも寄与することが期待されます。
(4)今後の対応
本特許の利用を進めるため、下水処理場や電子・機械部品製造業等、関連業種等への広報に努めます。
<問い合わせ先>
三重県保健環境研究所資源循環研究課
TEL:059-329-2926 FAX:059-329-2924