「燐酸アルミニウムを主成分とする素材の資源化方法」の発明にかかる特許取得(資源循環研究課)
(1)内容
科学技術振興センター保健環境研究部(現三重県保健環境研究所)では、一般下水汚泥や電子機械 部品関連工場等から排出される排水汚泥のような、リン酸アルミニウムを 多量に含んだ素材から、比較的簡易な処理によって、リンをリン酸ナトリ ウムとして高率に回収する技術を太平洋セメント株式会社との共同研究で 開発し、特許を取得しました。
(2)経緯
出願日は平成12年7月11日で、特許登録は平成18年6月16日です。
(登録番号 特許第3814672号)
(3)特許の概要
素材に含まれるリンは枯渇が懸念されている資源で、日本は現在、全て 中国・モロッコからの輸入でまかなっていますが、中国の経済発展などが 今後の日本への輸出に影響を与える可能性があります。
今回取得した特許の技術により、これまで廃棄物として排出されていた 素材からリンの回収が可能となり、貴重なリン資源の確保に寄与すること が期待されます。
この方法では、リン酸アルミニウムを多量に含んだ素材に水酸化ナトリ ウムを加えリン酸アルミニウムを溶解し、これに水ガラスを加えて固形分 を分離することで、リンをリン酸ナトリウムとして高率に回収することが できます。
科学技術振興センター保健環境研究部(現三重県保健環境研究所)では、関連した特許としてすでに、 「燐酸アルミニウムを主成分とする素材からの資源化方法」 (特許第3666739号:平成17年4月15日)」を取得済みです。 本特許の原理は既取得特許と同様ですが、熱を使わずに純度の高いリン酸 ナトリウムが回収できるのが特徴で、比較的簡易な処理によって回収でき るようになったため、普及が期待されます。
(4)今後の対応
リン酸ナトリウムは工業用原料として広く使用されており、資源化が 期待できるものです。
今後は、本特許の利用を進めるため関連業種への広報に努めます。
<問い合わせ先>
三重県保健環境研究所資源循環研究課
TEL:059-329-2926 FAX:059-329-2924