「廃プラスチックからの吸着剤およびその製造方法」の発明で特許を取得しました。(資源循環研究課)
(1)特許の内容
プラスチック類のリサイクルは、ペットボトル、発泡スチロール製容器包装等のほかはあまり進んでいません。
特に電子・OA機器、自動車、船舶等の製造に多用されている強化プラスチック類は、ガラス繊維、炭素繊維等の強化材や炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填材を含んでいるためリサイクルが困難でした。
このことを解決するため、強化プラスチック類の廃棄物を炭化して、活性炭のような吸着剤に再生する方法を検討しました。
その結果、廃水に含まれ、通常の活性炭では吸着できない、赤潮発生要因の一つとなっている、リン酸イオン及び有機物を効果的に吸着する能力を持った吸着剤を開発しました。
(2)経緯
この発明を、平成11年3月11日に特許出願し、平成14年7月26日付けで登録されました。
(登録番号、特許第3332882号)
(3)開発した吸着剤の能力
この吸着剤を食肉や水産物加工工場の廃水処理に試験的に利用したところ、有機物とともにリン酸イオンも効果的に除去されました。
将来的には、伊勢湾等の内湾の赤潮発生要因となっているリン及び有機物を効果的に除去することができると期待されます。さらに、今まで有効利用されていない強化プラスチック廃棄物のリサイクルの推進にも、寄与できるものと考えます。
(4)今後の対応
本特許の関連企業による利用を進めるため各種の機会を捉え、広報に努めるとともに、県内の関連企業への技術移転を進めます。
問い合わせ先
三重県保健環境研究所資源循環研究課
Tel 059-329-2991 Fax 059-329-2924
三重県工業研究所
Tel 059-234-4289 Fax 059-235-3982