環境大気中浮遊粒子状物質の実態調査研究(平成16~18年度)
自動車の交通量が多い幹線道路の近くでは、 大型トラックやバスなどのディーゼル車から排出されるディーゼル排気粒子(DEP)等により、 SPM*の環境基準を達成することが困難な状況が続いています。 このように自動車交通公害による大気汚染は、依然として改善が進まないことから、 環境省は平成13年6月に自動車NOx・PM法を制定し大気汚染の防止を図っています。この法律では、汚染が進んでいる地域を指定して、自動車による粒子状物質や窒素酸化物の排出を抑制する等の各種対策を実施することとしています 。 三重県においても北勢地域の市町(8市町(合併により6市町))が対象地域となっています。
近年、より粒子径が小さい粒子(粒子径が2.5μm以下のもの)が 人の健康に大きな影響を与えていることがわかってきました。このため保健環境研究部では、平成16年度から北勢地域の自動車交通量の多い幹線道路(国道23号線)近傍等で、 微小粒子による汚染の実態について調査研究を行いました。 また、発生源対策等に活かせるように、発生源(自動車、自然由来のもの等)別に 占める割合の算定についても検討を行いました。 その結果については下記の報告書にまとめてあります。
* SPMとは、 Suspended Particulate Matterの略語で、 日本語では浮遊粒子状物質といいます。 大気中には大小様々な粒子が浮遊しており、特に粒子径が10μm (1μmは1,000分の1mm)以下の粒子を浮遊粒子状物質といっています。 このSPMは、長時間大気中に浮遊する他、呼吸器等への悪影響、発癌性物質の含有も指摘されており、 NO2やSO2と同様に主要な大気汚染物質として環境基準が設定されています。