化学物質と環境(環境研究課)
化学物質は、現在工業的に生産されているものだけで数万種類あるといわれおり、我々の生活に色々と利用されています。
しかし、化学物質の中には、その製造、使用、廃棄等の仕方によっては、我々を取り巻く環境(大気系、水系など)、生態系に有害な影響を及ぼすおそれがあります。
また、最近では内分泌かく乱化学物質問題や、ダイオキシン問題などに代表されるように一層多様化、複雑化してきています。 こうした状況に対応すべく環境庁環境安全課を中心に地方公害等研究所(注1)、大学、関係団体などが協力し、昭和49年から「化学物質環境汚染実態調査」等を実施し、一般環境中における化学物質の残留状況(注2)等を継続的に調査し、化学物質汚染の未然防止や環境リスクの低減を図っています。
参考: URL: http://www.env.go.jp/chemi/kurohon/
注1:平成16年度の参加機関は都道府県、政令指定都市等60機関です。
注2:化学物質環境調査における検出状況(昭和49~平成16年度)
水質 | 底質 | 魚類 | 大気 | 総数 | |
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調査物質数 | 788 | 748 | 259 | 275 | 837 |
検出物質数 | 162 | 243 | 107 | 184 | 381 |
三重県保健環境研究所では四日市港と鳥羽港および庁舎屋上を調査地点とし、毎年数物質について調査を行っています。 一例として、ビスフェノールA(1997)(主な用途:樹脂の原料)とノニルフェノール(1998)(主な用途:界面活性剤の原料)の調査結果を示します。
四日市港 | 鳥羽港 | |||||
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水質 | 底質 | 魚類 | 水質 | 底質 | 魚類 | |
ng/mL | ug/g 乾 | ug/g 湿 | ng/mL | ug/g 乾 | ug/g 湿 | |
ノニルフェノール |
<1.1 |
0.74 |
- |
<1.1 |
<0.15 |
- |
ビスフェノールA |
<0.01 |
0.02 |
<0.001 |
<0.01 |
0.016 |
<0.001 |