農業普及現地情報
獣害対策に取り組む全集落代表者研修会(いなべ市)(平成28年3月現地情報)
桑名地域農業改良普及センター
いなべ市の獣害対策は、集落ぐるみの被害防止対策が進んでいるところと進んでいないところとの温度差があります。このことについていなべ市と話し合ったところ、被害が出始めの集落には集落ぐるみの対策への理解が十分でなく、集落ぐるみで効果的な対策がとられないため、被害集落が増えて市全体の被害実感が増加していると考えられました。 そこで普及センターでは市の協力を得て、いなべ市内の全集落を対象に参加をよびかけ、効果的に被害対策を実施できる体制づくりの研修会を開催したところ、新たに獣害につよい集落づくりをめざす10集落と、すでに集落づくりができている12集落の代表者計50名が参加しました。 研修会では中央と桑名普及センターから、市内の被害状況と対策の成果を紹介しながら、「獣害対策の基本」について説明をしました。また市の北西部の地域の集落では集落ぐるみの対策が進み、サルの侵入と被害が抑えられていることと、被害の防止対策を確実に実施できたことで、効果的に捕獲できる環境が整い大量捕獲(40頭)が成功したこと。そして北西部の集落では被害が減っていることにより、花火の配布数量が今年は昨年の半分以下に減ったことを市役所から報告しました。 市の北西部の集落からの参加者に、対策の効果が出ているのではと問いかけたところ、楽になったとの返答がありました。また新たに対策を始めている集落の代表者からは、「先輩集落の情報を持ち帰ってさっそく実施する」との発言がありました。 しかし一方、集落代表者アンケートによると、いなべ市全体の被害実感が低下せず、被害を受ける集落はむしろ広がっています。そこで今回の研修会をきっかけに、新しい集落を重点的に支援して、効果的に被害対策を実施できる体制をつくり、全体の被害実感を低減するよう集落を支援します。 |
研修会の様子
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