1.改植にあったって
茶樹の経済樹齢は35年前後といわれていますが、土壌や栽培条件によっても異なり、いずれにしても樹齢が古くなるにしたがって、生産力の低下は余儀なくされ、地上部の更新では対応できなくなってきます。
また、近年機械化が進み、乗用型管理機の導入にともない改植を行う場面も多く見られます。
いったん改植すると次の改植は20~30年先となるため、改植の際には10~20年先を想定して改植していくのが理想的です。長期的な経営ビジョンのもと計画的な改植を行っていきましょう。
改植の際に実施できる茶園の改良について、以下のことが考えられます。
1.地形や畦方向の修正
機械化導入が困難であった地形や非効率であった畦方向を修正し、機械化に適した地形や畦方向とすることができます。
2.土層(物理性)の改善
特に下層土の土壌改良を改植時に行うことができ、排水不良や有効土層の少なかった茶園などでは、抜本的な改善を行うことができます。
3.有機物の補給
土層改善の際同時に多量の有機物(堆肥)を下層まで投入することにより、緩衝力を高め、物理性の改善にも役立ちます。
4.暗渠排水の整備
これまで暗渠を設置していなかった茶園では、この機会に暗渠排水を設置すると、さらに排水の良好な茶園となります。また、環境負荷軽減のためにも、茶園排水を集水できるようにしておくことが大切でしょう。