2.二番茶後の肥培管理
意義
地温の高いこの時期は、土壌窒素(地力窒素)の発現も見られるようになってきます。また、硝酸化成菌の活動も活発となるため、分解されたアンモニア態窒素は硝酸態窒素に変化しやすく、硝酸態窒素は土壌に保持されないため、吸収されなかった分は降雨とともに流れていきます。そして二番茶摘採後も一番茶後と同様早くから窒素吸収が盛んになると推測されますので、摘採後早い時期から窒素を吸収できるよう管理していくことが必要です。
また、摘採後に浅刈りせん枝を行う場合も、台切り直後からでも速やかに窒素を吸収するという結果から推察すると、やはりせん枝直後早い時期から窒素を吸収できるようにした方が良いと考えられ、こうしたことを考慮しても二番茶摘採直後には窒素吸収できる状態にしておくことが望ましいと考えられます。
時期、資材および施用量の考え方
体系例1
こまめに施用していく場合は、摘採直後にNK化成(16-0-16)を50kg/10a施用して、窒素の補給と同時に夏場のカリの補給もできます。そして、梅雨末期や8月後半には多量の降雨があるので、8月中旬頃に普通化成(12-5-6)を40kg/10a程度施用しましょう。
<施用例>
時期 | 肥料の種類 | 成分量 (%) |
10a当施用量 (kg) |
施用成分量 (kg/10a) |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
N | P | K | N | P | K | |||
7月上旬 (二茶直後) |
NK化成 | 16 | 0 | 16 | 50 | 8.0 | 0.0 | 8.0 |
8月中旬 | 普通化成 | 12 | 5 | 6 | 40 | 4.8 | 2.0 | 2.4 |
体系例2
肥効調節型肥料を用いた省力的体系では、早春および一番茶摘採前に施用した被覆肥料が高温に伴い溶出し、多量の降雨があっても被覆肥料の特性から流亡は少ないと考えられますので、この期間の窒素成分補給の必要はないと考えられます。しかし、年間の燐酸およびカリの不足分をPK化成で補っておきましょう。
<施用例>
時期 | 肥料の種類 | 成分量 (%) |
10a当施用量 (kg) |
施用成分量 (kg/10a) |
||||
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N | P | K | N | P | K | |||
7月下旬 | PK化成 | 0 | 15 | 15 | 40 | 0.0 | 6.0 | 6.0 |
施用後の管理
この時期は一時に大量の降雨があることも多く、施用した窒素が地表面から流れてしまうこともあるため(傾斜地では特に)、施用後は土と混ぜることはやはり大切です。