5.二番茶新芽病害虫(ウンカ・スリップス・ホソガ・炭疸病・もち病)防除
対象となる病害虫
◎ウンカ(チャノミドリヒメヨコバイ)
◎ スリップス(チャノキイロアザミウマ)
◎ ホソガ(チャノホソガ)
○ 炭疸病
△ もち病
(記号の意味◎:重要病害虫、○:注意が必要な病害虫、△:発生に応じて対応)
意義
二番茶新芽が生育してくるこの時期は、ウンカ、スリップス、ホソガなど新芽を産卵場所とする新芽害虫の発生が多くなってきます。こうした害虫の被害に遭うと収量減(ウンカ、スリップス)や品質低下(ホソガ)等直接的に影響を受けますので、この時期には必須の防除といえましょう。
また、炭疸病は新芽生育初期に降雨とともに感染し、その後約20日で発病します。かぶせ茶等摘採時期の遅くなる場合防除が必要となります。
防除時期の考え方
この時期にウンカ、スリップスは新芽生育とともに増殖し、多発すると著しく新芽の生育を阻害します。また、ホソガの発生量も一番茶期に比べ増加し、産卵後の倦葉も短期間で巻葉するため、多くの場合摘採前に被害が発生します。
一般的には、これらの害虫を同時防除することが多く、通常の場合新芽1~2葉期にあたるホソガ産卵ピーク~孵化始めに行います。
また、炭疸病防除の目的でDMI剤(EBI剤)を用いる場合は、感染(降雨)直後の使用で効果を発揮しますのでこうしたことも考慮しましょう。
この時期は、梅雨期に入っており降雨をぬっての防除となります。そのため、遅れてしまうことのないよう、週間天気予報等を参考に早くから防除体制を整えておくよう気をつけましょう。
防除要否判断の目安
ホソガ、ウンカ、スリップスは、必須防除と考えます。
(1)炭疸病は、煎茶等でみる芽摘採が可能な茶園では、発病前に摘採できるので防除の必要はありません。かぶせ茶等摘採時期が遅くなる茶園では、摘採前に発病するので防除の必要があります。ただし、煎茶でも経営面積の多い場合は、二番茶期終盤は降雨等により刈り遅れることがありますので、後半に摘採予定の茶園では基本的に防除対応と考えるべきでしょう。
(2)もち病は通常の発生は少ないですが、条件によっては一番茶残葉や裾葉に発病がみられることがあり、そこが感染源となります。このような園では、必ず二番茶芽に発生するので、該当する場合は、炭疸病との同時防除を兼ねて実施する方がよいでしょう。
資材および方法
ホソガ・ウンカ・スリップスの同時防除を基本に考え、状況に応じて他の病害虫(炭疸病、もち病)の防除を加えていくように考えた方が良いでしょう
また、この時期の茶芽の開葉は3日で1枚程度であり、二番茶摘採時期に近い防除となります。摘採予定日と薬剤の摘採前日数(7日or14日)をよく確認して、防除を行うことが必要です。