3.中切り(せん枝)による茶園の更新
意義
茶園は年々摘採を繰り返すうち、樹高が高くなって分枝数も多くなり、摘採面に現れる枝条は細くなって、新芽の勢いも弱ってきます。こうした茶園では、せん枝により茶園を更新することが可能です。
一般的な更新法としては、中切り更新があげられ、実施する場合はこの時期に行います。
時期とせん枝位置
更新する深さや樹勢にもよりますが、経営的に見ても収益性の高い一番茶摘採後早い時期に行い、後の回復期間に余裕を持った方が安全と考えられます。考え方としてせん枝の強度(深さ)が強い(深い)ほど早めに行い、弱め(浅め)の場合はやや遅れても回復してきます。
また、せん枝位置の考え方として、必要とする太さよりも細い枝の分かれている手前(下)で切るのが基本となります。更新前に枝条をたどってどの位置から急激に細い枝が密生しているかを確認し、せん枝位置の目安をつけ、さらに周囲の枝条構成状況から、後の回復程度を想定しながら位置および時期を決定して行いましょう。
方法
可搬式のせん枝機の場合、切った枝条の処理も兼ねて3段階程度に分けてせん枝を行うのが一般的です。実際の例として、茶畦両肩部を順にせん枝して、最後に頂部をせん枝するなどの方法があげられます。
また、最近はフリーハンマーとバリカンを装備した乗用型管理機が登場し、一度にせん枝処理ができ、さらにせん枝した枝条が粉砕され茶株下に落下するため、労力的にかなり軽減できます。
その他
この時期の更新により、二番茶は収穫できなくなるので、経営上はマイナスとなります。しかし、翌年は若く勢いのある枝条となるため、翌年の新芽は芽数が減少し、芽重型となります。また、更新効果は3~5年程度といわれています。こうした点を考慮して、経営内で更新茶園の比率が一定となるよう更新計画を立てて実施しましょう。